経営戦略論の統合

経営戦略論の2大潮流を形成しているのは、ポーターのポジショニング・スクール(ポジショニング・アプローチ)とバーニーのリソース・ベースト・ビュー(資源アプローチ)で、これらは対立し、この対立は一向におさまる気配がありません。
ポジショニング・スクール、リソース・ベースト・ビューも含め、優れた戦略論が個性的で統合できないのは、意外にも全体を「部分」に分解して、「同じものを異なる視点から観ている」ことに起因します。さて、どのように部分的なのでしょうか?
企業間競争の場を、自生的に創発された「選択」をめぐる競争のネットワークとして捉え、企業(消費者)はこのネットワークの中で変異するのですが、変異の方向は生物の進化の方向と同じでした。
私はこれをベクトルで示し、「変異ベクトル」あるいは「進化ベクトル」と名付けました。
このベクトルに戦略論を重ねますと、「経営戦略論の偏り」が見えてきます。優れた戦略論ほど偏っていますので、どこかのベクトルに偏らせるのが戦略、あるいは戦略論ではないかと思えるようになりました。
全ての経営戦略論は「部分的で偏っている」のですから、経営戦略論を学べば学ぶほど戦略論の迷路にはまり込んでいきます。
ある戦略論が「どのように部分的なのか」「どのように偏っているのか」を知って、はじめて迷路から抜け出すことができるのです。

第1章 経営戦略論の統合と学際化に向けて

  1. 1-1 セレクション・フロー・・・複雑系ネットワークによる経営戦略論の統合と学際化
  2. 1-2 セレクション・フロー・・・複雑系ネットワーク 生態系
  3. 1-3 セレクション・フロー・・・ 経営戦略論の対象領域の特性・・秩序を創造するダイナミックなシステム
  4. 1-補足セレクション・フローの特徴 自生的秩序とシステムの死
  5. 1-補足 ビジネスと戦争の競争の混同
  6. 1-補足 ビジネスと戦争の競争の混同 競争の銃撃戦モデル
  7. 1-補足 ビジネスと戦争の競争の混同 道徳と経済一体の競争

第2章 S・N・Sによる戦略論の統合

  1. 2-1 経営戦略論はなぜ混乱するのか・・・戦略論を貫く還元主義
  2. 2-2 経営戦略論の分類と平行線
  3. 2-3 経営戦略論の統合・・・統合の方法
  4. 2-4 経営戦略論の統合・・・ポジショニング・アプローチ
  5. 2-5 経営戦略論の統合・・・資源アプローチ
  6. 補足・・・ポジショニング・アプローチと資源アプローチの統合の図説
  7. 2-6 経営戦略論の統合・・・ゲームアプローチ
  8. 2-7 経営戦略論の統合・・・学習アプローチ
  9. 2-8 私たちは上陸している・・・戦略論の統合された事象

第3章 変異ベクトルによる戦略論の統合

  1. 3-1 変異ベクトル・・セレクション・システムにおける変異の法則
  2. 3-2 なぜ戦略論は偏るのか
  3. 3-3 戦略論の統合・・・戦略論の偏りを知る
  4. 3-4 変異・・・戦略発想の2つのモデル
  5. 3-5 変異・・・セレンディピティ
  6. 3-補足・・・自分に都合のいい面だけを見たがる

コラム集

  1. 補足 正直者は選らばれる その1
  2. 補足 正直者は選らばれる その2
  3. 補足 正直者は選らばれる その3
  4. 進化論というアイデア

戦略論の統合

第1章 一体どのような競争をしているのか

第2章 S・N・Sによる戦略論の統合

第3章 変異ベクトルによる戦略論の統合

コラム集

競争曲線(ケースの統合)

経営マンダラ(マンダラチャート)

戦争の理論と企業間競争

その他