経営理論を自社に応用するための変換ツール
「マンダラチャートには何でも載せることができるのですね!」
・・・と驚き顔で話すのは、とある会社の社長。
この社長、大手銀行が主催する戦略論の勉強会に、幹部と一緒に出るようになりました。講義は面白いのですが、何をどのように自社に取り入れたらいいのか、悩んでいるとのことです。
「いやあ、でも難しいですねぇ・・・戦略論」
と、しきりに嘆きます。
・・・無理もありません。現在のところある特定の会社にマッチした戦略論の体系はありません。あるものは一般化しすぎていたり、またあるものは特殊化しすぎていたりして、そのままでは自社で採用することができないことも多いのです。
「勉強不足ですかねぇ」
と社長がボヤきます。
「そんなことはありませんよ。よく勉強されているじゃないですか」
戦略論を学ぶ上での注意点は、戦略論自体が対立し混乱しているという点です。新しい理論が次々と出現し、中には従来の理論とは「正反対」(たとえば多角化と集中)ものもありますので、戦略論に一歩足を踏み入れると迷路にはまる、ということも多々見受けられることなのです。
「講義で学んだことを自社の経営にもっと生かしたいのですが・・・・?」
「そうですか・・・それじゃ、せっかく講義を受けているのですから、自社で使えるところ『だけ』をマンダラに落とし込んでみたらどうでしょう」
「・・・『だけ』ですか?」
経営者は理論で食べているのではなく、実戦で食べています。その会社の実戦に役立たない理論は切り捨てることも必要です。
大乗仏教が乗物でしたら経営学はゲタでしょう。ゲタは履いて何ぼのものであり神棚に飾り付けておくものではありません。ゲタ感覚で取捨選択し、履いてみることが必要です。
戦略論経営理論には
「学ぶ経営理論」=「Ready Made」の経営理論」
「自社への応用の経営理論」=「Order Made」の経営理論」
があります。
ここで「Ready Madeの経営理論」というのは、MBAなどで学ぶ、あるいは経営セミナーに出席する、経営に関する本を読む等々、理論としての経営学、あるいは他社で実践された経営の記述をいいます。これはこれで大変おもしろいもので、積極的に学ぶべきでしょう。
戦略論というか経営学は、アイデアの宝庫なのですが主として寡占の進んだアメリカの(超)大企業の成功事例を研究したものです。企業のサイズも違えば、経営環境も違います。中小企業の経営者が経営学を学んでもそのままでは役に立たない場合が多いのです(第一分量が多すぎます)。
また、経営学のセミナーなどで「いい話」を聞いても、会社に戻れば日常業務が待っており、「いい話」を聞いただけで終わってしまうことの方が多いでしょう。
「Ready Madeの経営理論」を自社の実戦で使いものになる「Order Madeの経営理論」に変換するには「変換ツール」が必要です。
マンダラチャートはこの「変換ツール」の役割を果たします(話の流れから当然ですよね・・・・)
マンダラチャートに「いい話」をちょっと書き足すだけで、実行に移される可能性は飛躍的に高ますのです。