ご挨拶

経営戦略論は分解されたピースの研究から一歩進み、ピースの分類の段階までは進みました。現在、分類されたピース同士が激しく論争しています。
特に構造論と資源論の論争は平行線で、統合される気配はありません。統合すれば「それぞれの理論の総和以上の何か」になるのですが…
経営戦略論の統合…どうやら成功したようです。

このサイトは、ツギハギの様に出てくる戦略論のアイデアを統合したものです。
この理論編での目的は、「経営戦略論の統合」と「ケースのパターン化」です。どちらも世界初の試みですので、苦労しています。

皆様のご意見を頂けましたら幸いです。
ご批判も大歓迎ですので、ご意見などございましたらご連絡下さい。

経営戦略論の統合

経営戦略論の2大潮流を形成しているのは、ポーターのポジショニング・スクール(ポジショニング・アプローチ)とバーニーのリソース・ベースト・ビュー(資源アプローチ)で、これらは対立し、この対立は一向におさまる気配がありません。
ポジショニング・スクール、リソース・ベースト・ビューも含め、優れた戦略論が個性的で統合できないのは、意外にも全体を「部分」に分解して、「同じものを異なる視点から観ている」ことに起因します。さて、どのように部分的なのでしょうか?

企業間競争の場を、自生的に創発された「選択」をめぐる競争のネットワークとして捉え、企業(消費者)はこのネットワークの中で変異するのですが、変異の方向は生物の進化の方向と同じでした。
私はこれをベクトルで示し、「変異ベクトル」あるいは「進化ベクトル」と名付けました。
このベクトルに戦略論を重ねますと、「経営戦略論の偏り」が見えてきます。優れた経営戦略論ほど偏っていますので、どこかのベクトルに偏らせるのが戦略、あるいは戦略論ではないかと思えるようになりました。

全ての経営戦略論は「部分的で偏っている」のですから、戦略論を学べば学ぶほど戦略論の迷路にはまり込んでいきます。
ある戦略論が「どのように部分的なのか」「どのように偏っているのか」を知って、はじめて迷路から抜け出すことができるのです。

第1章 経営戦略論の統合と学際化に向けて

  1. 1-1 セレクション・フロー・・・複雑系ネットワークによる経営戦略論の統合と学際化
  2. 1-2 セレクション・フロー・・・複雑系ネットワーク 生態系
  3. 1-3 セレクション・フロー・・・ 経営戦略論の対象領域の特性・・秩序を創造するダイナミックなシステム
  4. 1-補足セレクション・フローの特徴 自生的秩序とシステムの死
  5. 1-補足 ビジネスと戦争の競争の混同
  6. 1-補足 ビジネスと戦争の競争の混同 競争の銃撃戦モデル
  7. 1-補足 ビジネスと戦争の競争の混同 道徳と経済一体の競争

第2章 セレクション・ネットワーク・システムによる経営戦略論の統合

  1. 2-1 経営戦略論はなぜ混乱するのか・・・戦略論を貫く還元主義
  2. 2-2 経営戦略論の分類と平行線
  3. 2-3 経営戦略論の統合・・・統合の方法
  4. 2-4 経営戦略論の統合・・・ポジショニング・アプローチ
  5. 2-5 経営戦略論の統合・・・資源アプローチ
  6. 補足・・・ポジショニング・アプローチと資源アプローチの統合の図説
  7. 2-6 経営戦略論の統合・・・ゲームアプローチ
  8. 2-7 経営戦略論の統合・・・学習アプローチ
  9. 2-8 私たちは上陸している・・・戦略論の統合された事象

第3章 変異ベクトルによる経営戦略論の統合

  1. 3-1 変異ベクトル・・セレクション・システムにおける変異の法則
  2. 3-2 なぜ戦略論は偏るのか
  3. 3-3 戦略論の統合・・・戦略論の偏りを知る
  4. 3-4 変異・・・戦略発想の2つのモデル
  5. 3-5 変異・・・セレンディピティ
  6. 3-補足・・・自分に都合のいい面だけを見たがる

コラム集

  1. 補足 正直者は選らばれる その1
  2. 補足 正直者は選らばれる その2
  3. 補足 正直者は選らばれる その3
  4. 進化論というアイデア

競争曲線(ケースの統合)・・・動的SWOT分析

「イノベーションのジレンマを読んだことがありますか?」とお聞きし「読んだことがあります」とのことでしたので、私の考案したツール「競争曲線」をお見せして「これがイノベーションのジレンマの形です」と説明しましたら驚いていました。「水平攻撃」が出るというのがイノベーションのジレンマの「形」です。
さらに、同じツール(競争曲線)を使って、これがベンチマークの時の「形」、これがハーレーやジッポーなどの老舗の「形」・・・と説明しましたらさらに驚いていました。
「同じツール」をつかって「異なるケース」を説明することにより、ケース間での戦略の違いが明確に現れるのです。
また、似たようなケース・戦略では似たような「形」が現れるということを、競争曲線を通して、視覚的に見ることができます。
このツールを「動的SWOT分析」として、実戦で使用すると効果抜群です。

第1章 競争曲線

  1. 1-1 競争のビジュアル化
  2. 1-2 競争曲線の基本型

第2章 安定の理論

  1. 2-1 変えない・・・・バチカンの衛兵のように(逆赤の女王仮説)
  2. 2-2 神田の蕎麦屋・・・老舗の競争戦略
  3. コラム サメとイルカとイクチオサウルス・・・競争戦略の収斂
  4. 2-3 ロレックス vs クオーツ・・・ローテクの逆襲
  5. コラム 非競争的攻撃・・・オマケによって受ける攻撃
  6. 2-4 ハーレーダビッドソン・・・天才の逆説
  7. 2-5 自社における安定の理論(弱みの領域の部分的安定)
  8. 補足 老舗大国ニッポン その1
  9. 補足 老舗大国ニッポン その2

第3章 新兵器の理論

  1. 3-1 アスクル vs コクヨ・・・水平攻撃(イノベーションのジレンマの仕組み)
  2. 3-2 アマゾンに対する業界トップ紀伊国屋の対応

第4章 改善・改良の理論

  1. 4-1 ベンチマークとは
  2. 補足・・・コピーキャット(模倣戦略のあれこれ)
  3. 4-2 誤ったベンチマーク批判・・・ベンチマークと差別化は同居できる
  4. コラム 棒状の競争曲線
  5. 4-3 ベンチマークの正しい調理法
  6. 4-4 マイクロソフトvsアップル

第5章 退化の理論

  1. 5-1 退化の理論
  2. 5-2 トレードオフと集中・・・経済学の観点からの再考
  3. 5-3 フォーカス

第6章 競争曲線を実際に使ってみる

  1. 6-1 競争曲線の作成法
  2. 6-2 競争曲線とSWOT分析・・・ダイナミック(動的)なSWOT分析
  3. 6-3 競争相手が見えない
  4. 6-4 経営・管理・作業 経営におけるグレシャムの法則
  5. 補足 ブルー・オーシャン戦略の価値曲線との違い(T君からの質問に答えて)

経営マンダラ(マンダラーチャート)

マンダラチャートは松村寧雄氏が考案した優れた発想法です。
経営マンダラは企業経営にマッチするようにマンダラチャートを「若干」変更したものです。
内容はほぼ同じですので、同氏の著書を読むことをお勧めしますし、また、読まれたことを前提に書いています。
マンダラチャートとの違いは次の通りです。
① マスの順番が異なります。経営マンダラは下から時計回りに記載します。
② 経営マンダラは9マスのみを使用します。会議の際に81マスでは煩雑となりすぎるためです。
9マスの各マスは「実行表」でフォローアップしていきます。
③ 「経営課題がほとんど浮かばない」という経営者のために、連想キーワードを用意しました。

戦争の理論と企業間競争

戦略という用語が戦争由来のため、銃撃戦で企業間の競争を説明しようとする理論が登場し、日本の経営戦略論の主流を占めています・・・ランチェスター戦略がそれです。
ちなみに、この現象は日本だけに見られるもので、海外では「ランチェスター戦略」はほとんど知られていません。
銃撃戦の基本原則は「人数が多い方が有利」というものです。ところが二人三脚では「人数が少ない方が有利」となります。
「直接闘争」と「間接競争」では競争の仕方が異なり、銃撃戦の基本原則が「間接競争」(ビジネス)では必ずしも通用するものではないということを、ホンダ事例で説明してみました。